初心者が最初に挑戦したい簡単ないけばな
いけばなを始めたいと思っても、「どんな作品から挑戦すればよいのだろう?」と迷う方は多いでしょう。自由に花を生けるのも楽しいですが、初心者にはある程度「型」が決まっているスタイルから入るのがおすすめです。その理由は、基礎が身につきやすく、花材の扱い方や構造を自然に理解できるからです。
池坊の生花(しょうか)がおすすめの理由
数ある流派の中でも、私が初心者にぜひおすすめしたいのが池坊の生花(しょうか)です。生花は「真・副・体」という三本を基本構造に据え、自然の姿を象徴的に表現するスタイルです。型がある程度定まっているため、最初はその型に従って花を生けるだけで、自然と作品らしい形が整います。
自由な表現も魅力的ですが、基礎がないままではどう生けてよいか分からず迷ってしまうことも多いものです。その点、生花は型を通じて「花の向き」「長さのバランス」「空間の取り方」といった基本が身につくため、初心者にとって大変学びやすいのです。
おすすめの花材
生花には、伝統的に使われてきた代表的な花材があります。初心者の方にも扱いやすく、美しく形が整いやすいものをいくつか挙げてみます。
- はらん:広い葉を生かして線や面を表現できる花材。シンプルながら造形の基礎を学ぶのに最適です。
- かきつばた:すらりとした茎と凛とした花姿が特徴で、水辺の風景を表すのに使われます。日本の伝統的な美意識を学ぶのにぴったりです。
- おみなえし:細やかな花房と軽やかな枝ぶりが魅力で、作品に動きと柔らかさを与えます。
これらの花材を使った生花は、古典的でありながらもシンプルで洗練されており、初心者の第一歩としてとてもおすすめです。
アプリでの学び方
アプリ内では、こうした生花を「スタイルモード」で学ぶことができます。スタイルモードでは、手順に沿って花を配置していくだけで、生花の基本構造を自然に理解できるようになっています。実際に手を動かしながら、はらんやかきつばた、おみなえしなどの伝統的な花材を使った作品に挑戦してみてください。
「自分が好きだからおすすめしている」という個人的な思いも正直ありますが、生花の型を学ぶことは、いけばなを深く理解するための大切な入り口です。
いけばなの魅力は自由な表現にもありますが、その土台となるのは基本の型です。まずは池坊の生花で基礎を学び、そこから自分なりの工夫や表現へと広げていく――それが、初心者にとって最も確実で楽しい学び方だと思います。